大地震の10日後に

北海道胆振東部地震から1年。記憶が薄れてしまう前に書いておこうかなと。
(なんだかカメラを向けられなかったので写真は一枚もなかった)

その日は深夜まで作業をしていて、あーもう限界ってベッドに入って20分、なんだか違和感を感じて目を開ける。
…揺れ…てるっ!てかどんどん揺れてるっ!

消していた居間の照明がバチンっとショートするようにオレンジ色に光った。
iPhoneから緊急地震速報のアラームがけたたましく鳴り、こりゃヤバいぞ、と。

揺れがおさまると、マンション内で大きなブザー音が鳴ってるのが聞こえた。停電でテレビもつかない。水道も止まった。とりあえず服を着替えて明るくなるのを待った。

朝5時、コンビニでわずかに残っていたカップ麺と飲み物を買うことが出来たが、レジに並ぶものすごい行列を見て非常事態を実感。あぁ、被災したのか。

わたし、あと10日後に結婚式挙げるんですけど。

この日深夜までやっていたのは披露宴の準備だ。

\ 電気がない=PC使えない=作業進まない /

\ 交通機関マヒ=遠方のゲスト来れない /

\ 食材入手困難=披露宴での食事出せない /

\(^^)/\ 無理っしょ/\(^^)/

ということで、失意のドン底。

ドン底だってズンドコだって人間、尿意は湧いてくる。水が出ないので、徒歩3分の公園へ行ってトイレを拝借。深夜3時に催したって、上着着て貴重品持って靴履いて鍵かけて公園に向かうのだ。停電で信号も全て消えている。

夕方にはiPhoneの充電も虫の息。余震のたびに食器棚を押さえる。早めにライフラインが復活したサムズバイクに避難させて頂いた。帰り道、停電のおかげと言ってはなんだけどものすごく綺麗な星空だった。

翌朝になっても電気も水道もまだ復旧していなかった。

日中はまだ暑さが残る季節、さすがにシャワーを浴びたくなってきた。公園から水を汲んできて、ヤカンで沸かしたお湯と混ぜて身体を洗った。もちろんドライヤーは使えない。

この日もサムズに身を寄せさせてもらい、PCとiPadを持ち込んんで挙げられるかどうかわからない結婚式の準備を進めた。とにかくもう、それをするしかなかった。

そしてその日の夜22時頃、ようやく我が家にも水と電気が!文明って素晴らしい!!

その後、なんの滞りもなく結婚式は無事執り行われた。この日にして本当に良かったと思えるほど最高の秋晴れだった。

その後、最低限の防災セットを用意した。しばらくは寝ていてもなんだか揺れた気がして何度も目が覚めた。だけどやっぱり意識ってだんだん薄れちゃうよね。毎年このタイミングで色々見直しが出来るといいな。